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学校教育活動等がっこうきょういくかつどうなどにおける熱中症事故ねっちゅうしょうじこ防止ぼうしについて

2023.08.02

令和5年4月 28 日付けで文部科学省総合教育政策局および初等中等教育局より、別紙の通知が発出されております。
学校教育活動等における熱中症事故の防止について適切に御判断いただくための参考資料としていただけますと幸いです。

(本件連絡先)
文部科学省外国人学校保健衛生プラットフォーム事務局
Tel:050-3187-8114(多言語での相談窓口)
E-mail:hsfs@mediphone.jp

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(別紙)

学校教育活動等における熱中症事故の防止について留意点をまとめましたので通知します。熱中症はそれほど高くない気温(25~30℃)の時期からも発生しうることを踏まえ、児童生徒等の健康被害を防ぐために適切な対応をお願いします。

学校教育活動等における熱中症事故の防止について(依頼)

文部科学省総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課長
安里 賀奈子

文部科学省初等中等教育局 教育課程課長
常盤木 祐一

熱中症事故の防止については、例年、各学校において御対応いただいているところですが、令和4年度には、学校の管理下において、3,142件を超える熱中症事故が発生しています。昨今の気温変化や熱中症の発生状況等を踏まえると、児童生徒等の健康被害を防ぐためには、それほど高くない気温(25~30℃)の時期から適切な措置を講ずることや、暑さ指数(WBGT)等を活用して熱中症の危険性を適切に判断すること等が重要です。

今年度は、昨年度に比べ様々な活動が幅広く展開されることが見込まれます。今般、改めて各学校や学校設置者等において御留意いただきたい点をまとめましたので、熱中症事故の防止について適切に対応いただきますようお願いします。

なお、本件については、学校設置者等から相談があった時に対応いただけるよう、公益社団法人日本医師会へも情報共有していることを申し添えます。

また、現在開かれている第211回通常国会において、熱中症対策の強化等を目的とした「気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律」が令和5年4月28日に成立しました(施行は公布の日から1年以内で政令で定める日(熱中症対策実行計画に関する規定を除く))。

同法を踏まえた更なる熱中症対策については、今後改めてお知らせします。

1.熱中症事故を防止するための環境の整備等について

熱中症には命に係わる危険がありますが、適切な環境整備等を行うことで予防が可能です。以下のような点に留意のうえ、児童生徒等の熱中症予防に努めていただくようお願いします。

  • 活動前に適切な水分補給を行うとともに、必要に応じて水分や塩分の補給ができる環境を整えること。
  • 活動中や活動終了後に水分や塩分の補給を行うこと。
  • 熱中症の疑いのある症状が見られた場合には、早期に水分・塩分補給、体温の冷却、病院への搬送等適切な処置を行うこと。
  • 学校の管理下における熱中症事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動によるものであるが、運動部活動以外の部活動や、屋内での授業中、登下校中においても発生しており、また、暑くなり始めや急に暑くなる日等の体がまだ暑さに慣れていない時期、それほど高くない気温(25~30℃)でも湿度等その他の条件により発生していることを踏まえ、教育課程内外を問わず早期から熱中症事故の防止のための適切な措置を講ずること。
  • 学校施設の空調整備については順次進められているところであり、こうした設備を有効活用していただくとともに、普通教室、特別教室、体育館など場所により空調の整備状況に差があることも考えられることを踏まえ、活動する場所による空調設備の有無に合わせて活動内容を設定すること。
  • 室内環境の向上を図る上では、空調、建物の断熱・気密性能の向上、必要な換気を組み合わせることが有効であり、「環境を考慮した学校施設づくり事例集」(令和2年3月)を参考にしつつ、施設・設備の状況に応じて、夏の日差しを遮る日よけの活用、風通しを良くする等の工夫をすること。
  • 幼児等が送迎用バスに置き去りにされた際、命の危険に関わる熱中症事故のリスクが極めて高いことに十分留意し、幼児等の所在確認を徹底し、置き去り事故を防止すること。その際、ヒューマンエラーの防止を補完するものとして、国において令和4年度第2次補正予算において送迎用バスへの安全装置の導入支援を実施しているところであり、可能な限り6月末までに安全装置の導入を完了すること。併せて、安全装置の整備がなされるまでの間についても、置き去り事故の防止を徹底する観点からチェックシートを送迎用バスに備え付け活用する等、万全を期すこと。
  • なお、学校におけるマスクの着用については、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」において、「学校教育活動においては、児童生徒及び教職員に対して、マスクの着用を求めないことが基本」、「幼児については、マスクの着用を求めない」等としていることから、熱中症対策の観点も踏まえ、適切な対応を行うこと。

2.各種活動実施に関する判断について

熱中症防止のためには、暑熱環境において各種活動を中止することを想定し、その判断基準と判断者を、各学校における危機管理マニュアル等において予め具体的に定め、教職員間で共通認識としておくことが有効であり、熱中症の危険性を判断する基準としては、暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)を用いることが考えられます。

暑さ指数については、環境省の「熱中症予防情報サイト」で地域ごとの実況値・予測値を確認することができます。また、同サイトでは、環境省・気象庁による熱中症警戒アラート(熱中症の危険性が極めて高くなると予測される際(暑さ指数が33を超える場合)に、国民に対し危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防行動をとっていただくよう促すための情報。令和5年度は4月26日より開始)も確認することができます。

また、環境省と文部科学省では、教育委員会等の学校設置者が作成する熱中症に係る学校向けのガイドラインの作成・改訂に資するよう、「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」を令和3年5月に共同で作成しています。

これらの情報等を活用し、各種活動の実施等に関して適切に判断していただくようお願いします。

3.児童生徒等への熱中症防止に関する指導について

熱中症を防止するためには、児童生徒等が自ら体調管理等を行うことができるよう、発達段階等を踏まえながら適切に指導することが必要です。

以下のような点をはじめとして、「学校安全資料『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(平成31年3月改訂文部科学省)も参考にしつつ、児童生徒等への指導について御留意いただくようお願いします。

  • 暑い日には帽子を着用すること、薄着になること
  • 運動するときはこまめに水分を補給し休憩をとること
  • 運動前に自分の体調を確認すること
  • 児童生徒等同士で互いに水分補給の声掛け等を行うこと、体調不良を感じた場合にはためらうことなく教職員等に申し出ること

4.夏季における休業日等の取り扱いについて

夏季における休業日等については、参考資料2の関連規定を踏まえ、次の(1)及び(2)を参考として、適切に御対応いただくようお願いします。

(1)各設置者及び学校等におかれては、気象状況等や学校施設(普通教室、特別教室、体育館等)における空調設備の有無等を踏まえ、児童生徒等の健康確保に十分配慮した上で、必要に応じて、夏季における休業日延長又は臨時休業日の設定、それに伴う冬季、学年末及び学年始休業日の短縮等をはじめとした対応について検討すること。
その際、本通知末尾の【参考】に記載の資料等も参考とし、学校及び地域の実態等を踏まえて判断すること。

(2)学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第63条に規定する「非常変災その他急迫の事情があるとき」には、熱中症事故防止のために必要がある場合も含まれることに留意すること。

【参考】

○環境省
・熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/

・「熱中症環境保健マニュアル2022」(令和4年3月改訂 環境省)
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php

・令和5年度「熱中症警戒アラート」の運用開始について
https://www.env.go.jp/press/press_01497.html

・気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案の閣議決定について
https://www.env.go.jp/press/press_01231.html

○文部科学省
・学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドライン
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/data/kikikanri/kikikanri-all.pdf#page=49

・「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」の作成について
https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1401870_00001.htm

・学校安全資料「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育(平成31年3月改訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1416715.htm

・こどもの安心・安全対策支援事業(送迎用バス改修支援等)
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/data/torikumi/kodomoanzen/kodomotaisakugaiyou2.pdf

・環境を考慮した学校施設づくり事例集
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/044/toushin/1421996_00001.htm

○独立行政法人日本スポーツ振興センター
・熱中症の予防(学校等での事故防止対策集)
https://www.jpnsport.go.jp/anzen/anzen_school/bousi_kenkyu/tabid/337/Default.aspx