令和5年3月17日付けで文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課より、別紙の事務連絡を発出しておりますので、お知らせします。
今般の新型コロナウイルス感染症に際して必要な対応について適切に御判断いただくための参考資料としていただけますと幸いです。
(本件連絡先)
文部科学省外国人学校保健衛生プラットフォーム事務局
Tel:050-3187-8114(多言語での相談窓口)
E-mail:hsfs@mediphone.jp
(別紙)
新学期以降の学校におけるマスク着用の考え方の見直し等について(通知)
文部科学省初等中等教育局長
藤 原 章 夫
「卒業式におけるマスクの取扱いに関する基本的な考え方について(通知)」(令和5年2月 10 日付け4文科初第 2153 号文部科学省初等中等教育局長通知)においてお知らせしたとおり、「マスク着用の考え方の見直し等について」(令和5年2月 10 日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)においては、4月1日以降の新学期におけるマスクの着用の考え方について、「学校教育活動の実施に当たっては、マスクの着用を求めないことを基本とする」等とされているところです。
このたび、当該本部決定等も踏まえた上で、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」の改定を行いました。主な改定の内容及びその留意事項等について、下記のとおりお知らせしますので、各教育委員会や学校等において、これらを踏まえた上で、新学期以降の学校におけるマスクの取扱い等について適切に御対応いただくようお願いします。
また、当該対策本部決定においては、学校に限らず、社会全体について、「感染が大きく拡大している場合には、一時的に場面に応じた適切なマスクの着用を広く呼びかけるなど、より強い感染対策を求めることがあり得る。」等とされていますので、併せて御承知置きください。
なお、新型コロナウイルス感染症が、本年5月8日に感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成 10 年法律第 114 号)上の5類感染症に位置付けられる予定であることに伴い、今後、マスク着用以外の感染症対策についても見直しが行われるほか、文部科学省においても、学校保健安全法施行規則(昭和 33 年文部省令第 18 号)等の改正を予定していますので、予め御承知置きください。
各都道府県教育委員会教育長におかれては所管の学校(専修学校高等課程を含む。以下同じ。)及び域内の市(指定都市を除く。)区町村教育委員会に対して、各指定都市教育委員会教育長におかれては所管の学校に対して、各都道府県知事及び小中高等学校を設置する学校設置会社を所轄する構造改革特別区域法(平成 14 年法律第 189 号)第 12 条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては所轄の学校及び学校法人等並びに域内の市(指定都市及び中核市を除く。)区町村長に対して、各指定都市・中核市市長におかれては所管の認定こども園に対して、附属学校を置く各国公立大学法人の長におかれてはその管下の学校に対して、各文部科学大臣所轄学校法人理事長におかれてはその設置する学校に対して、厚生労働省社会・援護局長におかれては所管の専修学校高等課程に対して、周知されるようお願いします。
記
1.マスク着用の考え方の見直しについて
(1)基本的な考え方
○ 児童生徒及び教職員については、学校教育活動に当たって、マスクの着用を求めないことを基本とすること。
○ ただし、登下校時に通勤ラッシュ時等混雑した電車やバスを利用する場合や、校外学習等において医療機関や高齢者施設等を訪問する場合など、マスクの着用が推奨される場面においては、児童生徒及び教職員についても、着用が推奨されること。
○ 基礎疾患があるなど様々な事情により、感染不安を抱き、マスクの着用を希望したり、健康上の理由によりマスクを着用できない児童生徒もいることなどから、学校や教職員がマスクの着脱を強いることのないようにすること。児童生徒の間でもマスクの着用の有無による差別・偏見等がないよう適切に指導を行うこと。
○ 学校教育活動の中で、「感染リスクが比較的高い学習活動」の実施に当たっては、活動の場面に応じて、別添に示すような一定の感染症対策を講じることが望ましいこと。これは、部活動等において同様の活動を実施する場合も同様であること。
○ 加えて、新型コロナウイルス感染症に限らず、季節性インフルエンザ等も含め、感染症が流行している場合などには、教職員がマスクを着用する又は児童生徒に着用を促すことも考えられるが、そういった場合においても、マスクの着用を強いることのないようにすること。
○ また、咳やくしゃみの際には、咳エチケットを行うよう児童生徒に指導すること。
(2)入学式等の実施に当たっての留意事項
○ 今後、各学校において実施が予定されている入学式等の儀式的行事においても、(1)で述べたように、マスクの着用を求めないことを基本とすること。
○ 国歌・校歌等の斉唱や合唱を行う時や、複数の児童生徒による、いわゆる「呼びかけ」を実施する時には、体の中心から前方1m程度・左右 50cm 程度を目安とした距離を確保すること。
○ 来賓や保護者等については、着席を基本とし、座席間に触れ合わない程度の距離を確保した上で、感染対策上での来賓や保護者等の参加人数の制限は必要ないこと。運動会等の体育的行事や文化的行事についても同様に、保護者等の参加人数の制限は必要ないこと。
○ また、儀式的行事や体育的行事、文化的行事等の学校行事については、感染対策上での実施内容の精選や時間の短縮を行う必要はないこと。
2.効果的な換気の実施について
○ 「マスク着用の考え方の見直し等について」においては、「・・・基本的な感染対策は重要であり、引き続き、「三つの密」の回避、「人と人との距離の確保」、「手洗い等の手指衛生」、「換気」等の励行をお願いする。」とされているところであり、学校においても、引き続き、効果的な換気の実施が求められること。
○ 具体的な換気の方法や考え方については、「感染拡大防止のための効果的な換気について」(令和4年7月 14 日新型コロナウイルス感染症対策分科会提言)や「新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための換気の徹底及びその効果的な実施について」(令和4年9月2日付け文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課事
務連絡)等を参照すること。
○ 換気の目安として CO₂モニターにより二酸化炭素濃度を計測することも有効であること。この点、学校環境衛生基準(平成 21 年文部科学省告示第 60 号)では、1,500ppm を基準とされているが、新型コロナウイルス感染症対策分科会提言「感染拡大防止のための効果的な換気について」では、学校についても、「気候等に応じて、・・・出来る限り 1,000ppm 相当の換気等に取り組むことが望ましい。」とされていることから、これらも踏まえた上で、効果的な換気に取り組むこと。
○ 十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータや HEPA フィルタ付き空気清浄機等の導入など、換気のための補完的な措置を講じ、可能な限り十分な換気を確保すること。
3.給食等の食事をとる場面における対策について
○ 給食等の食事をとる場面においては、引き続き、食事の前後の手洗いを徹底するとともに、会食に当たっては、飛沫を飛ばさないように注意すること。
○ その上で、適切な換気を確保するとともに、大声での会話は控える、机を向かい合わせにしない、向かい合わせにする場合には対面の児童生徒の間に一定の距離(1m程度)を確保する等の措置を講じることにより、「黙食」は必要ないこと。
【資料】
学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル(2023.4.1Ver9)
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00029.html
(別添)
「感染のリスクが比較的高い学習活動」の実施に当たっての感染症対策
【各教科等共通】
「児童生徒が対面形式となるグループワーク等」
・ 気候上可能な限り、2方向の窓を同時に開けて、常時換気を行うとともに、CO₂モニターを使用して換気の状況を計測すること
・ 十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータやHEPAフィルタ付き空気清浄機等の補完的な措置を講じること
・ 少人数のグループで実施するとともに、大声での会話は控えること
「一斉に大きな声で話す活動」
・ 気候上可能な限り、2方向の窓を同時に開けて、常時換気を行うとともに、CO₂モニターを使用して換気の状況を計測すること
・ 十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータやHEPAフィルタ付き空気清浄機等の補完的な措置を講じること
・ 近距離で向かい合っての発声は控えること
【理科】
「児童生徒がグループで行う実験や観察」
・ 気候上可能な限り、2方向の窓を同時に開けて、常時換気を行うとともに、CO₂モニターを使用して換気の状況を計測すること
・ 十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータやHEPAフィルタ付き空気清浄機等の補完的な措置を講じること
・ 少人数のグループで実施するとともに、大声での会話は控えること
・ 共用又は備え付けの器具・用具等を使用する際には、配置場所や使用順を工夫し、触れ合わない程度の距離を確保すること
【音楽】
「児童生徒が行う合唱及びリコーダーや鍵盤ハーモニカ等の演奏」
・ 教室の構造や周囲の状況も踏まえた上で、気候上可能な限り、2方向の窓を同時に開けて、常時換気を行うとともに、CO₂モニターを使用して換気の状況を計測すること
・ 十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータやHEPAフィルタ付き空気清浄機等の補完的な措置を講じること
・ 体の中心から前方1m程度・左右50cm程度を目安とした距離を確保し、原則、向かい合っての歌唱は控えること
【図画工作、美術、工芸】
「児童生徒が行う共同制作等の表現や鑑賞の活動」
・ 気候上可能な限り、2方向の窓を同時に開けて、常時換気を行うとともに、CO₂モニターを使用して換気の状況を計測すること
・ 十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータやHEPAフィルタ付き空気清浄機等の補完的な措置を講じること
・ 少人数のグループで実施するとともに、大声での会話は控えること
・ 共用又は備え付けの器具・用具等を使用する際には、配置場所や使用順を工夫し、触れ合わない程度の距離を確保すること
【家庭、技術・家庭】
「児童生徒がグループで行う調理実習」
・ 気候上可能な限り、2方向の窓を同時に開けて、常時換気を行うとともに、CO₂モニターを使用して換気の状況を計測すること
・ 十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータやHEPAフィルタ付き空気清浄機等の補完的な措置を講じること
・ 少人数のグループで実施するとともに、大声での会話は控えること
・ 共用又は備え付けの器具・用具等を使用する際には、配置場所や使用順を工夫し、触れ合わない程度の距離を確保すること
・ 試食の際は、大声での会話は控える、座席を向かい合わせにしない、向かい合わせにする場合には対面の座席間に一定の距離(1m程度)を確保する等の措置を講じること
【体育、保健体育】
「組み合ったり接触したりする運動」
・ 屋内で実施する場合には、気候上可能な限り、2方向の窓を同時に開けて、常時換気を行うとともに、CO₂モニターを使用して換気の状況を計測すること
・ 十分な換気が確保できない場合には、サーキュレータやHEPAフィルタ付き空気清浄機等の補完的な措置を講じること
・ 大声での発声は控えること
・ 見学や休憩時等には、触れ合わない程度の距離を確保し、大声での会話や発声は控えること