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新型しんがたコロナウイルス感染症かんせんしょう季節性きせつせいインフルエンザの同時流行どうじりゅうこう見据みすえた今後こんご感染対策かんせんたいさくについて

2022.10.28

このたび、文部科学省から、学校における新型コロナウイルス感染症に関して、以下の事務連絡を発出しておりますので、お知らせします。

(本件連絡先)
文部科学省外国人学校保健衛生プラットフォーム事務局
Tel:050-3187-8114(多言語での相談窓口)
E-mail:hsfs@mediphone.jp

PDFはこちら

(別紙)

新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行も
見据えた今後の感染対策について

文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課

先日 10 月 13 日に、関係する団体やアカデミア、経済団体、国・地方の行政機関等から構成される新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォースが発足し、第1回タスクフォースにおいて、「新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応」が決定されました。また、同日に開催された新型コロナウイルス感染症対策分科会においては、「今秋以降の感染拡大期における感染対策について」が取りまとめられています。

これらは、新型コロナウイルスの今後の感染拡大について、今夏を上回る感染者が発生する可能性があること、また、季節性インフルエンザとの同時流行が懸念されること等から、保健医療体制の強化・重点化や感染対策の考え方について取りまとめたものとなりますので、下記に示す学校運営に当たって特に留意すべき点と併せて御参照いただき、引き続き、学校における感染拡大の防止と学校教育活動の継続の両立に向けて、必要な感染対策に取り組んでいただくようお願いします。

都道府県・指定都市教育委員会担当課におかれては所管の学校等及び域内の市(指定都市を除く。)区町村教育委員会に対して、都道府県私立学校主管部課におかれては所轄の学校法人等を通じてその設置する学校に対して、国公立大学法人附属学校事務主管課におかれてはその設置する附属学校に対して、文部科学大臣所轄学校法人担当課におかれてはその設置する学校に対して、構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第 12 条第1項の認定を受けた地方公共団体の学校設置会社担当課におかれては所轄の学校設置会社及び学校に対して、都道府県・指定都市・中核市認定こども園主管課におかれては所轄の認定こども園及び域内の市(指定都市及び中核市を除く。)区町村認定こども園主管課に対して、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課におかれては所管の高等課程を置く専修学校に対して、周知されるようお願いします。

1.新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応について

添付資料1-1,1-2関係

(1)新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行下に多数の発熱患者等が生じる場合を想定して、重症化リスク・疾患等に応じた「新型コロナウイルス・季節性インフルエンザの同時流行下の外来受診・療養の流れ(イメージ)」が示されており、これを参考として、各地域において具体的な外来受診や療養方法等が決定されることとなります。
このため、地域の衛生主管部(局)と連携し、各地域における具体的な取扱いを確認した上で、学校内において、発熱等の体調不良を訴える者が発生した場合の対応について、事前に所管の学校等との間で情報共有を徹底していただくようお願いします。

(2)特に、過日の事務連絡において、新型コロナウイルス感染症に係る医療機関・保健所からの証明書等の取得に対する配慮を要請したところですが、新型コロナウイルスのほか、季節性インフルエンザについても、医療のひっ迫を回避するため、療養開始に当たって又は療養期間終了後に学校に出勤、登校するに当たって、医療機関等が発行する検査結果や治癒の証明書を求めることのないよう御留意ください。
【参考】新型コロナウイルスへの感染が確認された者及び濃厚接触者への対応等について(令和4年8月1日付け事務連絡)
https://www.mext.go.jp/content/20220802-mxt_kouhou01-000004520_001.pdf

(3)新型コロナウイルス感染症の感染予防、発症予防、重症化予防の観点から、ワクチン接種を進めていくこととされており、児童生徒等及び保護者が自ら接種の判断ができるよう、引き続き、地域の衛生主管部(局)の求めに応じて、ワクチンの効果や副反応、接種に関する相談先の情報等に関する広報等への協力をよろしくお願いします。
【参考】新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の幼児児童生徒に対する実施についての学校等における考え方及び留意点等について(令和4年9月6日付け事務連絡)
https://www.mext.go.jp/content/20220907-mxt_kouhou01-000004520_01.pdf

2.今秋以降の感染拡大期における感染対策について

添付資料2関係】

今般、新型コロナウイルス感染症対策分科会において取りまとめられた提言においては、
〇 学校・保育所等での感染対策については、こどもの教育機会を可能な限り確保するとともに、こどもや教育現場、医療現場の負担とならないよう、科学的知見に基づき、ポイントを絞って効果的・効率的な対策に取り組むことが必要。具体的には、こどもは高齢者等に比べて重症化リスクが低いことや、こどもに対して頻回に検査を行うことは本人や医療現場にとって負担が大きいこと等から、検査によって感染拡大防止の強化を図ることは現実的ではない。
〇 他方で、季節性インフルエンザとの同時流行が予想されており、こどもが流行の主体である季節性インフルエンザの感染対策も念頭においた取組とすることが必要である。
〇 このため、これまでも講じてきた、体調不良の場合に登校・登園を控えること、部活動を含めた学校内での換気等による感染対策について、今夏の集団感染事例や先進的な取組等を踏まえて、さらに推進していくことが必要。
とした上で、具体的な感染対策として、
・ 季節性インフルエンザの同時流行も想定した体調不良者の欠席徹底
・ 体調不良の教職員の休暇徹底
・ 効果的な換気の徹底
・ マスク着用が困難な状況での感染対策
が挙げられています。
これまでも、文部科学省が作成する「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」(以下「学校衛生管理マニュアル」という。)や本年7月に新型コロナウイルス感染症対策分科会において取りまとめられた提言等を踏まえ、累次の事務連絡において、
・ 教職員や児童生徒等に対する日常的な健康観察を継続的に行い、何らかの症状がある場合や体調が優れない場合には、出勤・登校させないことを徹底すること
・ 3つの密(密閉空間、密集場所、密接場面)の回避や、人と人との距離の確保、マスクの着用、手洗い等の手指衛生、換気等の基本的な感染対策を徹底すること等を求めてきたところですが、今般の提言を踏まえた上で、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行も見据え、改めて各学校において講ずべき感染対策の検討及び徹底をお願いします。

【参考】「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の変更等について(令和4年7月 15 日付け事務連絡)
https://www.mext.go.jp/content/20220719-mxt_kouhou01-000004520_01.pdf

【参考】新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための換気の徹底及びその効果
的な実施について(令和4年9月2日付け事務連絡)
https://www.mext.go.jp/content/20220902-mxt_kouhou01-000004520_01.pdf

このうち換気については、「感染拡大防止のための効果的な換気について」(令和4年7月 14 日新型コロナウイルス感染症対策分科会提言)や今般の提言にもあるように、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためには、学校についても、二酸化炭素濃度測定器を活用しながら、二酸化炭素濃度を 1,000ppm 以下に維持することが望ましいとされており、学校衛生管理マニュアルや「学校における感染症対策実践事例集」(令和4年3月公益財団法人日本学校保健会)等も参考に、授業等で使用する教室のほか、屋内の体育館や更衣室、移動の際のバス等を含めて、活動場所や活動場面に応じた換気対策を講じていただくようお願いします。

その際、今般の提言や新型コロナウイルス感染症対策分科会における文部科学省提出資料(参考資料7)にもあるように、換気の専門家を学校に派遣し、「感染症対策改善セミナー」を開催する、教室等における二酸化炭素濃度のモニタリングを行い、換気の効果やその効果的な実施方法を確認するといった各地域における取組事例のほか、文部科学省が実施した「公立学校における換気対策設備の設置状況に係るアンケート調査結果」等についても、適宜参考としてください。
また、特にこれからの季節においては、寒冷地やそれ以外の地域においても、気温が下がり、窓開け等による常時換気が困難となることが想定されるため、サーキュレータや HEPA フィルタ付空気清浄機等の導入など、換気のための補完的な措置を講じ、可能な限り十分な換気を確保することが重要です。
このほか、今般の新型コロナウイルス感染症対策分科会の参考資料6に保育所等及び高齢者福祉施設における機械換気設備の導入事例が示されており、必要な換気量を確保するためには、高機能換気設備(全熱交換機等)も有効であることから、その導入等についても、学校施設の状況等に応じて積極的に御検討いただくようお願いします。

【参考】新型コロナウイルス感染症対策分科会(第 19 回)
・参考資料6 換気に係る参考資料
・参考資料7 学校における換気の実施に係る参考資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin.html
なお、二酸化炭素濃度測定器やサーキュレータ、HEPA フィルタ付空気清浄機等の導入については「学校等における感染症対策等支援事業」等による支援対象としているほか、公立の小中学校等における高機能換気設備(全熱交換機等)の導入については「学校施設環境改善交付金」による支援対象としていますので、これらの支援制度の活用についても併せて御検討ください。

以上

記事の出典はこちらをご確認ください
https://www.mext.go.jp/content/221031-mxt_kokusai_000025715_54j1.pdf

(添付資料1-1)

新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応

基本的考え方

○ 今冬においては、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)について、今夏を上回る感染拡大が生じる可能性がある。加えて、季節性インフルエンザ(インフル)も流行し、より多数の発熱患者が同時に生じる可能性がある。

○ 上記の事態にも対応できるよう、本年9月8日の「With コロナに向けた政策の考え方」(新型コロナウイルス感染症対策本部決定)で示した「基本的考え方」に則り、限りある医療資源の中でも高齢者・重症化リスクの高い方に適切な医療を提供するための保健医療体制の強化・重点化を進めていく。

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「With コロナに向けた新たな段階への移行 基本的考え方」注)
○ 感染症法上の措置について、高齢者・重症化リスクのある者に対する適切な医療の提供を中心とする考え方に転換し、新型コロナウイルスへの対応と社会経済活動の両立をより強固なものとした、With コロナに向けた新たな段階に移行する。
移行に当たっては、再度、大規模な感染拡大が生じうることも想定し、国民ひとりひとりの自主的な感染予防行動の徹底をお願いするとともに、高齢者等重症化リスクの高い者を守るとともに、通常医療を確保するため、保健医療体制の強化・重点化を進めていく。
注)「With コロナに向けた政策の考え方」別紙参照
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○ 具体的には、同時流行下に多数の発熱患者等注)が生じる場合を想定して、重症化リスク・疾患等に応じた「外来受診・療養の流れのイメージ」をお示し、各地域の実情に応じて、発熱外来や電話診療・オンライン診療の体制強化と治療薬の円滑な供給、健康フォローアップセンターの拡充と自己検査キットの確保、入院治療が必要な患者への対応の強化等の対策を進めるとともに、国民各位への情報提供と重症化リスク等に応じた外来受診・療養への協力の呼びかけなどに取り組む。
注)新型コロナやインフル等による発熱等の体調不良等により受診を希望される患者

○ その際、こうした対策、特に、国民各位への情報提供と重症化リスク等に応じた外来診療・療養の流れへの協力の呼びかけを迅速かつ効果的に実施できるよう、「新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォース」注)を立ち上げ、関係する団体・学会、経済団体、国・地方の行政機関等と連携しながら取り組んでいく。
注)令和4年 10 月 13 日に発足

今冬の感染拡大の想定等

○ 今冬の感染拡大については、専門家の感染の見込みやオーストラリア等の状況も参考に、新型コロナの患者が1日 45 万人、インフルの患者が1日 30万人規模で同時に流行し、ピーク時には1日 75 万人の患者が生じる可能性を想定注)して、準備を進める。また、欧州において、新型コロナの感染者数の増加が見られており、引き続き欧米の感染動向も注視しつつ対策を講じる必要がある。
併せて、感染した場合にもできる限り重症化を防ぐため、新型コロナとインフルのワクチンについて、接種対象者への接種を進める。
注)規模の想定について、正確に予測することは困難だが、新型コロナは今夏の感染拡大時に最も感染状況が悪化した沖縄県の感染状況と同規模、インフルは直近5年間の最大値だった 2018/2019 季と同規模を想定している。また、過去に新型コロナの累積患者数が少ない地域においては、感染拡大の規模がより大きくなる可能性がある点に留意が必要である。更に、新型コロナとインフル以外の発熱患者が一定程度見込まれることも考慮する。

○ なお、感染者数が膨大となり医療のひっ迫が生じる場合やウイルスの特性に変化が生じ病原性が強まる等の場合には、住民や事業者に対する感染拡大防止や医療体制の機能維持に関する更なる協力の要請・呼びかけや行動制限を含む実効性の高い強力な感染拡大防止措置等が考えられ、状況に応じた対応を行う。

1.同時流行に備えた対策

(1) 新型コロナ・インフルの同時流行下における外来受診・療養の流れ

▶標題の流れのイメージは別添1のとおりであり、概要は以下のとおりである。別添1は標準的なモデルであり、各地域の実情(保健医療提供体制や感染状況等)に応じて変更される場合があり得る。
(重症化リスクの高い患者・小学生以下の子どもの患者)
 高齢者、基礎疾患を有する方、妊婦、小学生以下の子どもの患者は、速やかに地域の発熱外来やかかりつけ医を予約・受診し、医師は、その判断により新型コロナやインフルの検査を行う。

 - 検査結果が新型コロナ陽性の場合
 医師は、重症化リスク因子があると診断した方については、新型コロナの治療薬等を処方する。それ以外の方については、医師の判断により解熱鎮痛剤等を処方する。

 - 検査結果がインフル陽性の場合
 医師は、投与の必要性があると判断した方については、抗インフルエンザ薬(発症後 48 時間以内)等を処方する。

 - 検査結果が新型コロナ・インフルいずれも陰性の場合
 医師の判断により症状や原因に応じた対応を行う。

(上記以外の患者)
上記以外の患者には、まずは新型コロナの検査キットで自己検査(薬事承認されたものによる。以下「自己検査」という。)を行っていただく。ただし、症状が重いと感じる場合などは、速やかに電話診療・オンライン診療の活用や、発熱外来やかかりつけ医等を受診いただく。

 - 検査結果が新型コロナ陽性の場合
 地域の健康フォローアップセンターに登録し、自宅等で療養いただく(体調悪化時等には、速やかに健康フォローアップセンターに連絡又は電話診療・オンライン診療の活用や発熱外来等を受診)。

 - 検査結果が新型コロナ陰性の場合
 地域でインフルの流行が見られる場合において、施設内・家庭内感染の可能性や特徴的な症状(急激な発熱、筋肉痛)などがある場合は、インフルの罹患の蓋然性が高いと考えられる。
 受診を希望する場合は、都道府県が公表等する地域の電話診療・オンライン診療やかかりつけ医等で診断を受け、医師は、その判断により抗インフルエンザ薬(発症後 48 時間以内)等を処方するなど、症状や原因に応じた対応を行う。
 受診を希望しない場合は、自宅等で療養いただく(体調悪化時等には、速やかに電話診療・オンライン診療の活用やかかりつけ医等を受診)。

(2) 発熱外来の強化と治療薬の円滑な供給

▶発熱外来について、箇所数の増加や診療時間の拡大、かかりつけ以外の患者への対応により地域の状況に応じた対応能力の強化に取り組む。
また、都道府県ごとの人口 10 万当たりの発熱外来の数・公表率等の公表や、診療所における感染防止対策等の事例の取りまとめ・周知を行い、上記の対応能力の強化を促進する。
更には、地域の状況に応じて、発熱外来を補完するため、地域の医師会や病院、発熱外来以外の医療機関等の協力を得て、センター方式(例えば、地域外来・検査センターなど)による発熱外来の整備等に取り組む。
▶ 新型コロナとインフルの同時検査キットの確保注1)や、重症化予防に資する新型コロナの治療薬の円滑な供給注2)に取り組む。
注1)発熱外来等の外来の場において、医師の判断により使用することとし、約 3,800万回分を確保。
注2)一定年齢以上の重症化リスク因子がある方向け経口薬約 290 万人分・中和抗体薬

約 150 万人分を確保している他、一般流通を開始した経口薬ラゲブリオは、年末に向けて企業から約 95 万人分を供給できるようにする。
▶ 発熱外来のひっ迫等を回避するため、従業員又は生徒に医療機関等が発行する検査結果や治癒の証明書を求めないことについて、周知を行う。

(3) インフル等の体調不良等により受診を希望する患者の電話診療・オンライン診療体制の強化

▶同時流行に備えて、電話診療・オンライン診療の体制を大幅に強化する。
都道府県においては、例えば、
 ・ 地域の医師会と相談し、平日における電話診療等に対応する医療機関を増やすとともに、夜間や休日の電話診療等の輪番体制を作る、
 ・ 多数の医師を配置し多回線のオンライン診療を提供している医療機関と連携する、
 ・ 多数の医師を登録している事業者等と相談し、電話診療・オンライン診療の体制を作る、などの取組を検討する。

▶ 地域でインフルの流行が見られる場合において、施設内・家庭内感染の可能性や特徴的な症状(急激な発熱、筋肉痛)などがある場合は、自己検査の結果が陰性であれば、インフル罹患の蓋然性が高いと考えられる。
その場合、インフルの検査をせず、電話診療・オンライン診療でも医師の臨床診断により抗インフルエンザ薬等を処方することが可能である。

この取扱について、周知を徹底する。
▶処方された抗インフルエンザ薬を患者が速やかに受領できる備えを行う。都道府県においては、例えば、患者の診断を行った医療機関は患者の希望する薬局に処方箋を送付し(FAX、E-mail 等)、患者は当該薬局を通じて速やかに受領するなどの取組を検討する。なお、抗インフルエンザ薬は、約 1,830 万人分が一般流通している。

 インフルについても新型コロナと同様に、従業員又は生徒に医療機関等が発行する検査結果や治癒の証明書を求めないことについて、周知を行う。

(4) 健康フォローアップセンターの拡充と自己検査キットの確保

▶健康フォローアップセンター(重症化リスクの高い患者・小学生以下の子どもの患者以外の患者が自己検査で陽性となった場合の受け皿となる)
について、対応人員や応答回線数の増強等に取り組む。
▶自己検査を行っていただくための抗原定性検査キットを確保する(自己検査用を含め、約 2.4 億回分を確保(上記の同時検査キットを除く))。
▶自己検査の結果が陰性となった場合に、受診を希望する方については都道府県が公表等する地域の電話診療・オンライン診療やかかりつけ医等を受診いただくこととし、受診を希望しない方については自宅等での療養をお願いする(体調悪化時等には、速やかに電話診療・オンライン診療の活用やかかりつけ医等を受診)。

(5) 発熱患者等の相談体制の強化と周知徹底

▶都道府県の受診・相談センターにおいては、引き続き、発熱患者等の体調不良時等の不安や疑問、また、受診の要否や受診する医療機関に迷う場合の相談に対応する。
▶受診・相談センターによる電話相談の活用に加えて、医療機関の受診や救急車の要請に迷う場合の電話等による相談体制注)の強化を図るとともに、その活用を改めて周知する。
注)♯7119(病院にすぐに行くべきか、救急車を呼ぶかどうか等の電話相談窓口)、
♯8000(子どもの医療に関する電話相談窓口)、救急相談アプリ

(6) 救急医療や入院治療等に関する対策

①救急医療のひっ迫回避
 ▶発熱外来がひっ迫し、速やかな受診が困難になる場合には、受診を求めてやむを得ず救急車を要請する患者が増加する等により、救急医療のひっ迫にもつながる。
 ▶このため、(1)~(5)の対策に取り組み、必要な方が発熱外来等を受診できるようにするほか、限りある救急医療の資源を有効に活用するため、以下のとおり、救急医療機関の外来・入院機能の強化に取り組む。
 ▶患者をより多く受け入れるための救急外来スペースの確保、介護士の派遣等による入院中の高齢者への介護機能の強化、入院治療が必要な患者をより多く受け入れるための休止病床の活用等に引き続き取り組む。
 ▶医療従事者が濃厚接触者となった場合に、欠勤による影響を軽減するため、無症状かつ日々検査し、陰性であれば、自宅待機を要せず働くことができる取扱について、改めて周知する。

②入院治療が必要な患者への対応の強化
 ▶病床確保計画に基づく新型コロナ病床の確保は引き続き維持し、感染拡大時には時機に遅れることなく増床を進めるとともに、感染状況等に即したフェーズ運用により、通常医療との両立を図る。
 ▶感染拡大時には医療従事者の欠勤等により新型コロナ病床の一部が稼働しなくなる事態も想定して、都道府県等による入院調整や転院・退院支援等の取組の好事例を横展開し、都道府県における病床のひっ迫回避に関する対応能力の向上を図る。

 ▶また、都道府県において、G-MIS により管内の新型コロナ重点医療機関における医療従事者の欠勤状況を把握・活用することで、感染状況等に即したフェーズ運用を促進する。

 ▶新型コロナ医療機関ではない医療機関にも新型コロナ感染対策ガイドを周知徹底し、院内において新型コロナの患者が生じた場合の対応能力を有する医療機関の増加を図る。
 ▶地域でインフルの流行のおそれがある場合の対応については、流行の端緒があれば都道府県等が直ちに注意喚起し、住民に基本的な感染対策の徹底を呼びかける。
また、インフルにより入院治療が必要な患者への対応については、病診連携による一般病床における入院調整等により対応することを基本に、地域や医療機関の状況に応じて一般病床が不足する事態になれば、新型コロナ病床における病室単位での柔軟な取扱等により対応する。

③高齢者施設等に対する医療支援等
 ▶新型コロナの患者が生じた場合に迅速・的確な対応ができるよう、高齢者施設が初動対応を相談できる都道府県の電話等相談窓口の設置を促進する。
 ▶高齢者施設への支援に当たる都道府県の「感染制御・業務継続支援チーム」注)の体制強化を更に進める。
 注)ゾーニング等の感染管理を行う技能を保有した看護師・医師等
 ▶ 高齢者施設等の従事者等に対する集中的検査の推進を図るため、特例的に、国から都道府県等に抗原定性検査キットを配布する。

2.ワクチン接種の推進

○ 1の対策を進める他、新型コロナウイルス感染症の感染予防、発症予防、重症化予防が期待されるため新型コロナワクチンの接種を進め、またインフルの重症化予防を目的にインフルのワクチン接種を進めていく。
・ 新型コロナに対しては、年内に接種対象者全員がオミクロン株にも対応したワクチンの接種を受けられるよう注)、10 月から 11 月にかけて 100 万回/日を超えるペースの接種体制を整備するとともに(10 月中に全員分を輸入見込み)、ワクチンの有効性や安全性に関する情報について、国民各位に丁寧に周知し、早期の接種の呼びかけを行う。
注)現在、接種間隔の短縮等について検討しており、10 月下旬までに結論を得る予定。
・ インフルに対しては、定期接種の対象となっている高齢者等に対して、早期の接種の呼びかけを行い、ワクチン接種を進めている(成人分約 7,000万人分を 11 月中までに順次供給見込み)。

3.国民各位への情報提供と重症化リスク等に応じた外来受診・療養への協力等の呼びかけ

○ 上記の発熱外来や電話診療・オンライン診療を行っている医療機関や、都道府県の受診・相談センター等の電話相談窓口等について、行政機関のホームページ等を通じて、国民各位に分かりやすく情報提供していく。

○ 更に、新型コロナとインフルが同時に流行した場合に備えて、限りある医療資源の中でも高齢者・重症化リスクの高い方に対し適切な医療を確実に提供するために、国民各位への情報提供と重症化リスク・疾患等に応じた外来受診・療養の流れへの協力を呼びかける。
また、ワクチンについても、重症化予防等の観点から接種を促進するため、上記のとおり、国民各位への周知や呼びかけを行う。

○ このため、関係する国・地方の行政機関のみならず、医療団体・学会の関係者、経済団体も一丸となって、適切なメッセージの発信、発信方法の検討や発信時の連携等に当たることが望まれるところであり、上記の「新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォース」において最大限の取組を行う。なお、現時点で想定する国民各位への呼びかけ内容のイメージは別添2のとおりであり、今後、タスクフォースでも御議論をいただく。

(別添2)

同時流行を見据えた国民の皆さまへの呼びかけ内容イメージ
対象者共通・新型コロナウイルス感染症は過去2年間、年末年始に流行しています。2022 年の年末までに、重症化リスクの高い高齢者等はもとより、若い方にもオミクロン株対応ワクチンの接種を完了するようおすすめします。なお、現在、接種間隔の短縮等について検討をしており、10 月下旬までに結論を得る予定です。
・日頃から、体温や健康状態の確認等、セルフチェックを心がけましょう。また、引き続き、手洗い等の手指衛生、換気、適切なマスクの着脱など基本的な感染対策をお願いします。
・今夏を上回る感染拡大が生じた場合には、医療機関を速やかに受診できない場合も考えられます。発熱等の体調不良時に備えて、予め薬局等で新型コロナの検査キットや OTC の解熱鎮痛薬を購入し、自己検査やセルフケアの準備をしておきましょう。
高齢者、
基礎疾患を
有する方、
妊婦、
子ども等、
・季節性インフルエンザワクチンについては、定期接種の対象者(※)で、接種を希望される方は、お早めに接種をお願いします。
(※)65 歳以上の方のほか、60 歳から 65 歳未満の慢性高度心・腎・呼吸器機能不全者等
・ 新型コロナウイルス感染症や季節性インフルエンザの重症化リスクがあります。発熱等の体調不良時には、速やかに発熱外来やかかりつけ医を受診して下さい。
・また、御自身で新型コロナの検査キットで陽性を確認された場合には、受診時にその結果を医師に伝えて下さい。
上記以外の
・基礎疾患をお持ちでない若い方は、新型コロナやインフルエンザに感染した場合でも、高齢者等と比べて、重症化したり、入院したりする割合は低くなっています。
・今夏の感染拡大を踏まえ、重症化リスクの高い方に適切に対応を行うため、発熱等の体調不良時には、まずは御自身で新型コロナの検査キットにより自己検査をお願いします。必要に応じて、都道府県等が公表している相談窓口にもご相談下さい。
・自己検査で新型コロナ陽性が判明した場合には、健康フォローアップセンターに連絡・登録の上、自宅等での療養をお願いします。体調が変化した時等は、同センター等にご相談下さい。
・体調不良等により受診を希望される場合には、電話診療・オンライン診療の活用や、かかりつけ医の受診もご検討下さい。
※ 地域の状況に応じて、救急医療の状況、オンライン/電話診療の利用方法等も発信